続 消えた写真

  • 2014/08/23(土) 16:33:03


旧展望閣をあとにした僕たちは、
札幌方面へと車を走らせた。

時間はもうすぐ深夜2時。
向かった先は小樽市朝里川温泉。


そこに旧朝里病院という廃病院があった。


病院には裏手にある大きな窓から入れる。
出入り口はその一箇所しかなく、
病院の中はとても重苦しい空気が漂っていた。

病院の奥の方まで入っていくと
閉塞感が増すのと、脱出場所からどんどんと遠ざかるため、
恐怖レベルは相当高く、心霊スポットマニアからの人気も高い場所だった。

この日、僕は珍しくインスタントカメラを持参していたので、
あちこち写真を撮ってまわっていた。もちろん、
心霊写真を撮るためだ。


いつもなら、一階だけを探検して終わるはずなのに
友人の一人がこう言いました。


「二階も行ってみない?」 

「絶対ヤバいって、二階は病室だから絶対マズイ!」

「あれれ?チキンですか?」

「そうだよ!チキンでいいよ!」

「じゃあ一人で待っててね」

「ちょ・・・待ってくれよ~・・・」


正直、僕も二階には上がりたくなかった。
だけど、チキンは嫌なので虚勢を張るしかありませんでした。

二階に上がると、
そこはもはや想像を絶する世界でした。

間違いない。
これは良くないことが起こる。

そう直感しました。
二階の廊下を歩き、ちょうど建物の端まで来た時でした、


「ライトを消せ!」


友人の一人がそう言って、
その場にしゃがみ込みだしました。

条件反射的に全員がライトを消す。

「どうした・・?」

「あれ・・」

彼の指す方向には窓があり、その向こうに
僕たちの車が止まっているのが見える。

車は病院から小さな橋を渡った向こう岸の、
朝里温泉スキー場の入口付近に止めていた。

その横をゆっくりとパトカーが走っていたのだ。

こういった心霊スポットでは、あまり騒ぐと近隣の人に通報される。
僕らは騒いでなかったが、たまたま巡回していたのだろう。


「確実にこっち来るな」

「あぁ、パトカーが視界から消えたらすぐに出よう」


そうやって、ひそひそ声で会話し、
静かにしていた時でした。

僕たちの会話を遮るように
遠くから何かが聞こえてきました。


ジリリリリーン


ジリリリリーン


ジリリリリーン


「電話の・・・音?」

「黒電話・・・」

「これマズイやつじゃない?」


僕は背中が冷たくなるのを感じました。

ライトを消したまま、僕らは暗闇の恐怖の中
一階に向かって走り始めました。


ドンドンドンドン!!!




走り出すと、あちこちの壁から
ドンドンドンドンと壁を叩く音が聞こえ始めたのです。

「うわぁ~!!」

・・・

・・・

なんとか建物を脱出し、
僕らは駐車場までたどり着いた。

だけど友人Mの様子がおかしい。
顔がいつものMじゃない。

「おまえ、メガネどうした?」

「さっき暗闇で走った時、落としたみたい」

一同、沈黙。
そして爆笑。

そうして、この日の心霊スポット巡りは終了したのです。





数日後。

僕は現像した写真を
一人、部屋で見ていた。


特に変わった写真はなかったが、、
朝里病院の写真に妙なものが写っていた。

そう、それは二階で撮った写真。

黒電話の音、壁ドン(最近は違う意味だけど)
心霊写真があって当然のようにも思われた。

僕は次第にあの恐怖体験を思い出し、
嫌な感覚に支配され始めていた。


写真は2枚あった。


一枚は病室の写真。
天井から顔のようなものが覗き込む写真だった。

そしてもう一枚は、トイレの写真。
こっちが強烈だった。
写真をひっくり返すと、こっちを睨んでいる。
完全に人の顔だった。

壁ドンの正体と、
その意味さえも、
何となくわかった気がした。


怒らせてしまったのだ。
そこに棲むモノを。


写真を現像したこの頃からだと思う。
僕の部屋で異変が起き始めたのだ。

いわゆるラップ音。
木が軋むような音ではない。


足音だ。

ペタっていうような。


これが毎日のように続いた。

この時はもう正常な判断も出来ず、
幽霊を連れてきてしまった、
そう思い込んでいた。

僕は心霊スポットに行くのを避けるようになり、
後悔を味わうばかりだった。

そして・・・
わずか数ヶ月しか住んでいないマンションを
引っ越すことになったのです。


続く・・・

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